魂‐soul‐
自分の胸にかたく誓った。

残り二分。

十六年間生きてきて、これほど頭を使った日はなかった。

数式もなにも通じない。

まず、今まであったことを一から整理してみる。

どこかおかしいところはなかったか。

やはり一番怪しいのは雅に違いなかった。

湊は下唇を噛みしめた。

「湊!早くしろよ」

膝に手をつき駆け出す準備をしている武流。

そんな彼の姿を見た途端、湊の頭の中でフラッシュバックが起こった。


そうだ。


思い出した。


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