魂‐soul‐
汗が頬を伝った。

鬼ごっこで掻いた汗か、はたまた恐怖からくる冷や汗か。

走り疲れて息を乱した朔馬が湊を不安げに見やる。

普段はクールな雅も同様だった。

そして武流も。

湊は自分の胸に手を置き自分の音を確認した。

規則正しく動くそれは、まだ死んではいない。

これから先、何年生きられるかはわからないが今という時間(とき)を最大限に使いたい。


いや、使わなくちゃいけない。


それが人間(ひと)として生まれた権利と義務なのだ。

湊はゆっくり唇を動かした。
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