魂‐soul‐
「武流…お前は武流やない」
「ちょっ…ちょっと待って!」
朔馬は話についていけず頭を抱えた。
「もっと詳しく教えてや」
「本物の武流はあの中にいる」
そう言って湊が指差した先は、あの人間の魂が吸収されている巨大ケース。
「もしくはすでに誰か違う人間の中に入れられたか。どっちにしろ、本物の武流は俺達に出会う前にゲームに敗退している」
湊はゆっくり武流に近寄った。
「武流がゲームに敗退して魂が取られたということは代わりに入った魂があるはずや」
「それが今ここにいる武流ってこと?」
信じられないといった表情で武流を見つめる朔馬。
「そう」
湊と武流の距離はわずか一歩。