魂‐soul‐
言いたいことは山ほどあるが、まだ終わりじゃない。

湊は説明を続けた。
 
「本物の武流がゲームに負けて魂を吸い取られた代わりに入った魂が父さんのやった」
 
呆然と聞いていた朔馬はふいに我に返った。
 
「でも!魂って人の身体に入ったら記憶がその体の人のやつに変わるんやろ?じゃぁ、湊のお父さんも武流の記憶とチェンジして、湊のこと覚えてないはずやん」
 
「それが、最初に言った『例外』やねん」
 
「例外?」

「おそらく父さんの記憶は魂と同一化していて武流の中に入っても前の記憶が消えなかった。つまり、武流の中には『父さんの魂』・『武流の記憶』・『父さんの記憶』が入っている状態や。……そうやな?」
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