魂‐soul‐
「じゃぁ雅君は?」 
 

「雅先輩は……俺達側じゃないからな」


鋭い瞳を湊は投げ掛けた。
 
「どういうことかな?」
 
そう聞いたのは魁人ではなく雅本人。
 
「ずっと心に引っかかっててん。一番最初、ここに来て帰ろうか迷ったとき、雅先輩は玄関の扉に触ってもないのに閉まっているって知っていた。先輩はさっき「勘」って言ったけど、そうじゃない。雅先輩はこいつらの仲間で、ずっと俺達の監視をしていた。特に父さんの監視を」
 
朔馬も雅の方を恐る恐る振り返った。

すると雅は不適に微笑んだ。


まるで悪魔のように。




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