魂‐soul‐
「約束したんや」
 
普段の武流(本人は知らないが)では全く使わない関西弁。

懐かしい感じがした。
 
「湊がこのゲームをクリアしたら、本物の武流君の魂をこの身体に戻してやるってな」

 
「俺が…負けたら?」
 
悟は首をゆっくり横に振った。
 
「負けへん。なんせ俺の息子やからな」

自分は負けたくせに。

湊は笑いそうになったが堪えた。

どうしてそこまで信じられるのだろうか。

歯を見せて笑った顔は、確かに武流ではなかった。
 
「でも、どうしてそのまま武流として生き続ける道を選ばなかったんですか?」
< 130 / 170 >

この作品をシェア

pagetop