魂‐soul‐
雅は魁人達に近寄った。
 
「君達の魂から交換しようか」
 
その言葉で、魁人・蔵人・槙人の三人は俯き黙り込み、秋人に至っては幕を切ったかのように泣き始めた。
 
「もう一度…チャンスを下さい。次は必ず…」
 
泣きしきる秋人を雅は冷ややかな目で見下した。
 
「残念だね、秋人。魂の代わりはいくらでもある」
 
心の隅にあった希望は脆くも崩れ去った。
 
「もうあの中は嫌だ…」

床に座り込んだ秋人に声を掛ける者はいなかった。
 
「それに君は重大なミスを冒したでしょ?自分のゲームのとき、わざと湊君のポケットに携帯を残したよね。クリアの鍵になるように」
 
雅は秋人の腕を掴むと無理やり立たせた。

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