魂‐soul‐
「まさか」
 
槙人は鼻で笑った。
 
「そう。ならいいけど」
 
雅は軽く微笑んでカプセルの側面にある赤いボタンに指を置いた。
 
「誰か押したい人いる?」
 
馬鹿にしたように雅は聞いた。

案の定誰も答えないので雅は肩を竦め、なんの躊躇いもなくボタンを押した。

ウィーンと機械が作動する音が部屋に木霊した。

カプセルが小刻みに動いている。
 

「ぎゃああぁぁぁぁ」


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