魂‐soul‐
フェンスを軽々乗り越え、地面に足をついた。
 
「さぁ~。俺らは無事に帰ることができるのでしょうか?」
 
武流がおどけてみせた。
 
「通った道はちゃんと覚えてや。万が一道に迷わんように、こまめにこの数字の書かれたロープをどっかに巻きつけるんや」
 
湊は鞄からロープを出した。
 
「用意周到やな」
 
朔馬は感嘆しながらロープを手に取った。
 
「これまでの行方不明者から分かるけど、多分少し入ったら携帯は圏外や。誰か一人でもはぐれたら、ロープを辿ってここで待ち合わせな」
 
そう言って、湊はそばにあった木にロープを括りつけた。
 
「みんな懐中電灯は持ってる?」
 
各自取り出すと、ちゃんと点くか確認した。
 
「さ、行こう」
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