魂‐soul‐
自分にはどうしてもできない。

一秒でも早くしなければ。

あいつが来ないうちに。

そう思うのに身体は脳に従わなかった。
 
「湊…いいんか?」
 
「あぁ…」
 
朔馬はためらいがちにボタンへ手を伸ばした。
 
「待ってくれ」
 
カプセルの中からくぐもった声が聞こえる。
 

「湊に押してほしい」


悟は、はっきりと言い切った。
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