魂‐soul‐
雅はその隙間に手を滑り込ませた。

このままではあと二分ももたない。
 
「朔馬、あれ使うで。いいか?」
 
湊の問いかけに朔馬は頷いた。
 
「じゃぁ行くで……1…2…3!」
 
湊の声に合わせてドアを開けた。

全身の力をドアに向けていた雅は勢いのあまり前のめりになった。

湊は一瞬の隙をつき、ポケットから取り出した麻酔針を雅の首に突き刺した。

両膝をついて動かなくなった雅を二人はじっと見つめた。

動かないでくれと心の中で祈った。

しかし神は味方してくれなかったらしい。
 


「そんなのが俺に効くとでも?」



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