魂‐soul‐
その頬には乾いた血が付着している。

本人に傷はないところを見ると返り血らしかった。
 
「槙人…」
 
そうこうしている間に機械の音が鳴りやんだ。

それに気づいた朔馬は湊の肩を叩いた。
 
「湊…」
 
カプセルの蓋を開けた。

今この中にいるのは身体も心も本物の武流だ。

ヘルメットを外した。
 
「う…ん」
 
寝ぼけ眼の武流と目が合った。
 
「ここは…?」
 
掠れた声で言葉を発した武流は再び気を失った。
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