魂‐soul‐
部屋の端で魁人が壁にもたれかかっている。

頭から流れた血は乾いている。

湊は首元に手を添えて脈を確かめたが、駄目だった。

念のため手首でもはかった。

だがどれだけ探しても見つからない。

心臓マッサージをしてみても、人工呼吸をしても、何一つ反応は返ってこなかった。

湊は唇を噛みしめた。


「助けてやれなくてごめんな…」



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