魂‐soul‐
巨大ケースの傍には秋人が倒れていた。

ひどく殴られたのだろう。

全身に痣ができていた。

湊はポケットに入っていた絆創膏を貼ってやった。

秋人は耳が引きちぎれている兎の人形を強く抱きしめていた。


「辛かったな…」



そして部屋の中央には、槙人がうつ伏せになって倒れている。

どれだけ頑張って足止めしてくれたのだろう。
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