魂‐soul‐
「なんや」
 
期待していた朔馬は落胆した様子で踵を返した。

湊と雅も諦めたとき、背後でキィィと音がした。

咄嗟に振りかえった四人は息を飲んだ。

ドアが開いている。

誰かが開けたのではない。

ひとりでに開いたのだ。

奥は真っ暗で何も見えない。

ブラックホールへようこそ、と言っているようにドアはぱっくり口を開いている。
 
「ほんまかいな」
 
にわか信じられないという目で湊が三人を見ると、皆同じ顔をしていた。
 
「ま、まぁ入ってみようや」 
 
今度は朔馬が先頭を切った。

こうしていても仕方がないので、湊・武流・雅という順で後に続いた。

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