魂‐soul‐
大阪府、私立氷上学園に入学して早半年。
湊の一日はこうして幕を上げている。
今日も、電車の扉が閉まるすんでの所で、身体を滑り込ませた。
通学、通勤でごった返しになっている車内は見慣れた顔が何人もいる。
先程消費したエネルギーで腹は唸り声を上げていた。
マナー違反だとは分かりつつも、空腹には勝てず、車内の隅で乗客に背を向けておにぎりを頬張る。
「何回食べても飽きへんねんなー」
昆布の偉大さを感じると同時に、睡魔が容赦なく湊を襲う。
満員電車なので、知らないオッサンを背もたれに、眠りこけた。
電車に揺られて数十分、ふいに身体に激痛が走った。
浅い眠りから覚めた湊の視界は人で埋め尽くされた。
前の男が持っていた野球バットが、電車の揺れによって鳩尾に入ったらしい。ズキズキ痛む腹を押さえながら、降車駅で電車を降りた。
湊の一日はこうして幕を上げている。
今日も、電車の扉が閉まるすんでの所で、身体を滑り込ませた。
通学、通勤でごった返しになっている車内は見慣れた顔が何人もいる。
先程消費したエネルギーで腹は唸り声を上げていた。
マナー違反だとは分かりつつも、空腹には勝てず、車内の隅で乗客に背を向けておにぎりを頬張る。
「何回食べても飽きへんねんなー」
昆布の偉大さを感じると同時に、睡魔が容赦なく湊を襲う。
満員電車なので、知らないオッサンを背もたれに、眠りこけた。
電車に揺られて数十分、ふいに身体に激痛が走った。
浅い眠りから覚めた湊の視界は人で埋め尽くされた。
前の男が持っていた野球バットが、電車の揺れによって鳩尾に入ったらしい。ズキズキ痛む腹を押さえながら、降車駅で電車を降りた。