魂‐soul‐
四人の男
「すいませ～ん」
　
湊が弱弱しく発した言葉に返事は無かった。

ただ暗闇だけが広がっている。

ドアの横に電気を入れるスイッチがあるのを発見した。

パチ。

一斉に点いた光が眩しくて思わず目を細めた。
　
「うわ～。広っ」
　
ヨーロッパの貴族邸のような煌びやかな内装に目が奪われた。

舞踏会などで使われそうな部屋の天井には巨大シャンデリアが備え付けられている。

床は一面大理石で中央に二階へ続く赤い螺旋状の階段が、どんと構えていた。

恐怖心など忘れていた。

各自珍しげに辺りを見回している。
　
「こんなとこに住んでるなんて相当金持ちやで」
　
朔馬が高そうな壺を見ながら感嘆の声を漏らした。
　
「いや、案外土地代が安かったり…」　

そう言いながらも一番物色しているのは武流。

気分が高揚しすぎていたので、背後でバタンと音がしたとき心拍停止するかと思うほど驚いた。

振り向くと見知らぬ長身の男がドアを閉めている。

どこから現れたのだろうか。

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表紙・目次

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