魂‐soul‐
だがそれは、しょせん片隅でしかなくて。

まさかこんなことに巻き込まれるとは予想していなかった。

四人を見て、男は喉の奥で再び笑った。
 
「ついて来い」
 
命令口調で四人の間を抜け、真っ直ぐ歩く男の後ろに雅が続いた。
 
「雅先輩?」
 
武流の呼びかけに雅は振り返った。
 
「選択肢はないみたいだよ?どうせここから出られないし」
 
湊は玄関を開けようと扉を押したり引いたりするが、びくともしない。

それよりも、どこを探しても鍵穴がない。
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