魂‐soul‐
「まじで……」
 
真っ青な顔で武流は呟いた。
 
「ほらね。行こうよ」
 
雅とは対称にほかの三人は警戒心を剥き出しにしながら動き出した。

男は数十メートル先で早くしろと言わんばかりに顔をしかめていた。

そんなとき不意にパチン、パチンと音がした。

湊が朔馬に目を向けた。

朔馬が右手の親指と中指で指を鳴らしている。

彼の癖だ。

納得がいかないことや疑問に思うことがあるとこれをする。

湊は朔馬が今考えていることが手に取るように分かった。

おそらく同じことを考えているはずだ。
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