魂‐soul‐
「で、本題は?」
 
今まで黙って聞いていた雅も、核心に迫ろうとしていた。
 
「もう分かっているだろうけど、君達の魂をここに入っている誰かと交換したいんだ。もちろん、すぐにじゃない。僕達が用意するゲームに勝ったら、何もせずに解放してあげる」
 
穏やかな笑みは一変し、悪魔のように醜い笑顔を四人に向けた。
 
「どうしてこんなこと……」
 
武流が血の気を失った顔で言った。

対象的に魁人の気持ちは高ぶっていた。
 
「面白いから。人間ってさ、命が懸ってなかったら何でも適当にするでしょ?でも死に直面すると一変する。そんな姿を見るのが好きなんだ」
 
同調するように秋人が頷いた。
 
「じゃぁ何で殺さずにわざわざこんな装置を…?」
 
湊も思っていた疑問を武流が代弁した。
 
「僕達は人殺しじゃない」
 
魁人はぴしゃりと言い放った。
< 30 / 170 >

この作品をシェア

pagetop