魂‐soul‐
「どうしてあのケースには魂が無数に入っているの?交換するなら、入るのも出るのも一つずつでプラマイ0じゃん」
 
雅の問いかけに、魁人は腕を組み直した。
 
「いろいろな理由があるよ。ゲームの途中で死んでしまった場合、その肉体は使い物にならない。だから魂だけあのケースに抜き取る。他にも君達と同じように説明を受けたとき、他人の身体で生きることに魅力を感じ自ら魂を抜き取ってくれと頼む者もいる。こんな感じで、余分な魂がたくさん集まってしまったんだ」
 
まるで魂は「物」扱いのような言い方に、湊は腹立たしかったが、今はそんなこと言っている暇はない。

確かに魁人は「ゲームの途中で死んだ」と言った。

そんなにも危ないゲームなのだろうか。

湊は、恐怖で背中に冷や汗が伝うのを感じた。
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