魂‐soul‐
至極楽しそうな声が湊の癇に障る。

手に掻いた汗をズボンで拭い、湊はスピーカーを見つめた。

時間はみるみるうちに減っていく。

四分を切った。

同時に爆発が起こった。
 
『これからは一分単位で爆発するから♪』

まるでテレビーゲームを楽しんでいるかのように秋人は告げた。

スイッチを眺めても、一向にいい案は浮かばない。

半ば諦めかけたとき、昨日……いや今日か?

さらわれる前にリビングで見たテレビ番組を思い出した。

そして湊はフッと笑みを零した。
 
『何だよ』
 
「分かってん。確実に一つに絞れる方法が」
 
『ハッ。嘘だね』
 
再びタイルが爆発した。

湊の隣で白煙を上げている。
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