魂‐soul‐
「何で即答できへんかったんや?答えは一つ。分からへんかったんやろ?銀が明るいのか暗いのか。人によったらどちらでも取れるからなぁ。もし、明るいと即答していたら白、暗いと言ったら黒が答えや」
 
だが、言葉とは裏腹に湊の心臓の鼓動は早かった。

テレビ番組でこれに類似した問題を見ていてよかったと、心底湊は思った。

まさかテレビ番組に命を救われようとは。

それにこれは誰にでも適用されるわけではない。

一種の賭けのようなものだった。

秋人は悔しさから監視用のテレビが置かれている机を叩いた。

そして狂ったように笑いだした。
 
『あ~あ、負けちゃった。まぁ、でも僕のノルマはクリアしたし!どうでもいいや』
 
「ノルマ?」
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