魂‐soul‐
「?何が?」
 
「ええねん。気にせんといて」
 
とりあえず安心した。

雅が欠伸をしながら二人に近寄った。
 
「みんな遅すぎ~。ところで武流は?」
 
「え!」
 
すっかりあの開いていない扉は朔馬だと思い込んでいたため、一瞬反応が遅れた。

当たり前ではないか。

朔馬と雅がここにいるということは、あそこにいるのは武流。

慌てて来た道を戻ろうと踵を返した。

しかし。
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