魂‐soul‐
「そう言ってるだろうが」
 
蔵人が指を鳴らした。

すると魁人と槙人が武流の腕を掴みながらやって来た。
 

「武流!」
 
「みんな!」
 
身体の至る所に包帯を巻いている武流は痛々しくて目を背けたくなった。

胸が締め付けられる思いに駆られながら、湊は必ずクリアすることを心に誓った。

「とっとと俺のゲーム始めるぜ」
 
蔵人の合図で、武流は二人に連れて行かれてしまった。

袴の内側からスイッチを取り出すと、蔵人はそれを押した。

ゴゴゴと地響きが鳴り始めると天井から畳が降りてきて湊達の視界を遮った。
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