魂‐soul‐
「床や壁にスイッチとか無いか気つけや。きっと押したらクナイとか飛んで来るで」
 
そう言って朔馬は壁に手をつきながら慎重に進んで行く。

右や左にくねくね曲がりどこを見ても畳の景色に飽きて来たころ、他より広い空間に辿り着いた。

三方が畳で囲まれているため先へ進めない。

壁となっている畳の中央には、それぞれスイッチが貼り付けられている。

怪しさ十分。

六畳ほどの空間の中央に天井から吊るされた白い紙がヒラヒラ動いている。

手にとって文字を追った湊は溜め息を吐いた。
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