魂‐soul‐
「何て書いてあるん?」
 
朔馬が尋ねた。
 
「ここが第一関門やって。問題に答えて次への道を選べ……って」
 
「問題?」
 
雅が警戒心を露わに、首を左右に往復させる。
 
「問題文はこうや。弥生時代から奈良時代まで行われた稲の刈り方は何か」
 
「穂首刈りですよね?」
 
確認を取るように朔馬は雅に目を向けた。
 
「そうじゃない?」
 
「問題は三択で、穂首刈りを選ぶ場合、右の畳のスイッチを押すらしい」
 
答えは分かっているのだが誰も押そうとはしない。

もしかしたらこれは引っかけ問題なのかもしれない、という不安が全員の決断を鈍らせていた。
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