魂‐soul‐
蔵人のヒントが気になって仕方がない。

「嘘つき」という言葉が頭の中でぐるぐる回る。
 
「これさ、間違えたらどうなるんやろ?」
 
「良くないことが起こるだろうね」
 
湊の問い掛けに、雅が間髪をいれずに返した。

睡眠スプレーが噴射しそのままゲーム終了時刻までお寝んねさせられるか、蜂が飛び出し、見るも無残な姿までに刺されるか。

話し合いの末、なるべく遠距離からスイッチを押すことにした。

そしてスイッチを押すという重大な役目を担うのは一番腕の長い雅となった。

二人は来た道を戻り雅と十分に距離を置いた。

雅はいざという時に逃げられるよう、精一杯まで距離をとった。

身体と腕を極限まで伸ばしスイッチに触れた。

少し体重を前へ乗せるとスイッチがへこんだ。
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