魂‐soul‐
「大丈夫?」
 
心配そうに雅は湊の顔を覗き込んだ。

グーを出した湊が、一人になってしまった。
 
「いけます」
 
内心、心細かったが決まってしまったものは仕方がない。

湊は右。

朔馬・雅は左のスイッチを押した。

気のせいか、重みを感じる。

最後の畳が倒れた。

どちらも、先には闇しか見えない。
 
「じゃ、また後で」
 
朔馬の言葉に湊は頷いた。

そしてお互い背を向け歩き始めた。
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