魂‐soul‐
湊は急ぎ足で直進した。

バタンと音がしたので後ろを振り返ると倒れた畳が元に戻っている。

光が閉ざされ視界が闇でいっぱいになった。

もう後戻りはできない。

「ってか、どこまで歩くねん、コレ」

目が慣れてから、かれこれ五分程歩きっぱなしである。

壁に手を添えながら確認して進む。

「こっちがハズレやったんか?」

試練というのは見つからないが、逆に出口も見つからない。

右や左に曲がる道もなく、ただ一本道を直進するしかなかった。

このままタイムアップまで時間を潰させる気か?

制限時間が半分を切ってしまい、さらに焦りは募っていく。
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