魂‐soul‐
「あっ」
 
湊は正面から光が差し込んでいるのを見つけた。

ずっと暗くて先の見えない道を歩いていたので、精神的に参っていた。

光を求めて走った。

何キロも走っている気がする。

いや、実際はたった数十メートルかもしれない。

走れば比例して近づいてくる光に目を細めた。

だが、足は止めることなく突き進む。

光の出口へ勢いよく飛び出した。
 
「えっ」
 
辺りを見回すとごく普通の十五畳程度の部屋だった。
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