俺様な狼上司に迫られて!
とりあえず
私は少し眉間にシワを寄せながらも
電話に出た。
「…もしもし。」
しかし
そこは騒がしい居酒屋のような
騒音が聞こえるわけでもなく
至っ静かな中に
おーちゃんの声が響いていた。
「あ、もしもしサユ?!
…ちょーっとさ、ヘルプ頼みたいんだけど…。」
(はい?ヘルプ??)
ヘルプって何だよ。
と思いながら
どういうこと?と聞けば
そこにタイミング良く
聞き慣れた声が 電話越しに聞こえてくる。
『え、サユリかー?』
『サーユーリー!』
(-------エ。)
何か…後ろから陽気な声が聞こえるんですケド…。
いやぁ…まさかね?
あんな俺様クール野郎が
こんなハメ外すまで飲むはずが---
「律樹くんを迎えに来てクダサイ。」
「---------。」
---マジかよ。
え、本当に今の本人?
あんなヘラヘラしながら
私の名前呼ぶなんて。
しかもおーちゃんと似たようなテンションで。
真逆なキャラじゃない?貴方たち2人。
そう思っている私に構わず
お兄さん2人が電話の向こうで
「おーいりっちゃーん、
今からサユに迎え来てもらうからな〜。」
「え、サユリ来んの?
よっしゃー!会えるー!」
なんて
いつもならありえない口調で
そんなやり取りを交わしていた。
---おーちゃん、貴方一体
どんだけこの人にお酒飲ましたんですか。
「ってことで頼むわサユ〜。
こいつ家帰らないとか言うからさぁ…。」
「……はぁ、分かったよ。
今からそっち行くから待ってて。」
…と、いうわけで
急遽お迎えに行って参ります。