俺様な狼上司に迫られて!
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---ピンポーン!
それから30分後
私はおーちゃんに言われた通りに
彼を迎えに行った。
部屋に着いて
ドアを開けてもらえば…
「…お〜!サユリ!来たのかー!」
「………。」
(-----だ、誰この人。)
リビングに通され
連れられるまま中に入れば…
そこには薄っすら頬を赤くして
気分を良くしながら寝転がる、律樹。
私を見上げながらニコニコしている。
…おいおい嘘だろ…。
「おーちゃん、アンタいくらなんでも飲ませすぎだよ…。」
「あいつが勝手に飲みはじめんだよ〜。」
おーちゃんは昨日の反省もあってか
今日はそこまで飲んでいないらしく
まだシラフに近い様子だった。
…そのお隣さんは人生最高に飲み過ぎたみたいっすけど。
「ほら律樹立て!彼女迎えに来たんだぞ。」
「?!
え、おーちゃん…知ってんの?!」
「全部こいつから聞いたよ。
もう後半はずーーっとお前との惚気。」
服買って着せたら超可愛かったとか
酔ったら色気増すだの何だの
散々聞かされたぞー
と悪気なくサラッと言うおーちゃん。
(なっ…なんて恥ずかしいことを…!!)
私はそれに恥ずかしさから赤面しながらも
律樹を起こすおーちゃんを見てハッとする。
「ほ、ほら律樹起きて!帰るよ!」
「ん〜…サユリ連れてって〜。」
「ったく…はいはい。
ほら起きて。歩いて。」
言うことを聞かないので
おーちゃんに変わって私が彼を起こす。
すると素直にすくっと立ち上がって
フラフラながらもジャケットを羽織って
玄関へ向かう。
バッグは私が代わりに持つことに。
「ん、じゃあ2人とも気をつけてな。
…まぁ家近いから大丈夫だとは思うけど…。」
うまくタクシー乗せてやって。
と苦笑いするおーちゃんに
はいはい、と返事をすれば
じゃあごめんな、気をつけて。
と言って
おーちゃんがドアを閉める。
…さて…
「律樹、行くよ?」
「ん…へいへい。」
この酔っ払いを送らねば。