俺様な狼上司に迫られて!
フラフラとした足取りで
何とか私についてくる律樹。
マンションを出ると
夜風が涼しく気持ちいいのか
んー…と言いながら
顔を綻ばせる。
「大丈夫?気持ち悪くない?」
「ん…平気。
…あーでもあそこで休憩したい。」
と 甘える子供のような目で
ふにゃっと私に言う律樹が指差したのは
なんと---公園。
(…可愛いな おい…。)
とちょっとチョイスに驚きながらも
心が和む。
はいはい、と付き合ってあげれば
2人ですぐそばにあった
ブランコに座った。
「…懐かしい…。」
「…そうだなぁ…。」
2人で座りながらそんな言葉を交わす。
私は中学以来乗った覚えのないブランコに本気で懐かしながら
ゆっくりブランコをこぐ。
そしてある程度満足し
ストップをかけて止まれば
横にいた律樹が
私に目を向ける。
「…サユリ。」
「ん?」
「手出して。」
(……?)
律樹の言葉に
私は疑問を覚えながらも
彼側にある片手を
スッと横に差し出す。
すると…
------ギュッ
「…!」
「…あー、気持ちいー…。」
不意に手を握られ
ドキッとした。
私の手が冷たくて気持ちいいのか
酔いで熱くなってる彼の手が
少し強めに 私の手を包む。
「…俺さ…。」
「…うん。」
「ずっと前からお前のこと好きだったんだよ。」
「………え…。」
手を握りながら
律樹が突然そんなことを言ってくる。
…え、そんなの聞いた事ないんだけど…。
と私が驚きながら彼を見れば
恥ずかしそうに顔を赤らめながら
いつもと違う雰囲気の彼が
言葉を続ける。
「超好きだったんだよ。」
「…そ、そうだったんだ…。」
「はは、おう。
…だからさ、今すっげー幸せ。」
「…!」
いつもならこんなこと絶対に言わない彼が
私にそう言いながら
幸せそうに微笑んでくる。
-----ドクン…
そんな言葉と姿に
私は心臓を高鳴らせる。