俺様な狼上司に迫られて!
(今日、飯行くぞ…って…。)
仕事に戻ってから、私はパソコンと睨み合いながら頭にはそれがループしていた。
なぜなら
彼からこんな誘いがあったことが
今まで1度もないからだ。
え、もしかして私
今日こそ脅される?
それかもしかして
また酔わされてお持ち帰りされるとか…?
(…とりあえず怪しいとしか思えない。)
もしこれが
あの日何事もなくこうなっていたのなら
私はもっと違うことを考えていただろう。
え、あの部長が私を?!
もしかしてこれってー!?
…なんて
憧れの先輩からデートに誘われた
恋する女子高生と同じくらい
お花畑な頭が働いていたんじゃないかと思う。
それがなんだ
"脅し" か 再び"過ち"か
なんていう2択の考えしか働かない。
つくづく自分のしたことのヤバさと
可哀想な頭になってしまったことに嘆くばかりだ。
-----ピロリンッ♩
そんなことを考えながら仕事を進めていれば
携帯にメールが届く。
(……げっ。)
そんなことを考えていれば
"張本人"からメール。
あの夜いつの間に登録されていたのか
『神崎律樹』の文字が携帯に表示されていた。
「………。」
少し離れた彼のデスクを見ると
小さく笑みを浮かべた彼が
こちらを見ていた。
目があって
私はすぐに逸らす。
黙ってメールを開けてみれば
『仕事終わりに下に迎えに行く。
それまで会社に残ってろ。』
の文字。
(…ど、どうしよう。)
返信はしないものの
これは行くべきか、行かないべきか
と私の頭で論争が始まる。
でもこれ行かなかったら……
それこそ、やばいっすよねぇ…。