俺様な狼上司に迫られて!






とりあえず父親に

承諾を得たことをメールで報告すると




すぐに、日程を提案してきた。







(------っ、は?明後日?)








1番早くて、明後日でどうだろうか

と書いてある携帯画面を凝視しながら
俺はさらに頭を抱える。





-----何でこう、せっかちなんだよ。






もう少し猶予をくれてもいいだろ…

と、自分の家族の鬼畜さを感じながら



俺は渋々目の前にいるサユリに
そのことを伝える。








「…なぁ。」

「んー?」

「親父が明後日は、だと。」

「ブッ-----!!」






水を飲みながら聞いていたサユリが

俺の言葉に思わず喉を詰まらせ、
むせた。




…この反応も無理ないよな。








「おい、大丈夫か?」

「ゲホゲホッ…!ご、ごめん
あまりにも予想より日程が早すぎて…。」

「…だよな。」








俺もそう思う、と言いながら
都合が悪いから無理だと

父親にメールを送ろうとした時



サユリが俺の手を止めて
息を整えてから、告げる。








「…よし、会おう。」

「………は?」








(お前……何言ってんだよ。)








俺は小百合の言葉に は?という顔をすれば

サユリはそんなの気にしない様子で
俺に言う。







「私は全然大丈夫だから。
…まぁ律樹がダメなら別にいいけど。」

「…いや、俺も特に何もねぇ。」






俺がそう言えば

サユリはニッと笑って
よし!と俺に言う。





……ってことは、明後日か。







(……何事も起こらないように。)







俺はそう心の中で願いながら

親父にメールを返信する。









「…おい、サユリ。」

「ん?何?」

「…初めに言っとくが」







-----俺の家族は性格悪ィぞ。







と 言えば

サユリは一瞬目を丸くして
え?と声を上げたが




俺の真剣な目を見て
冗談じゃないと察したのか




俺を真っ直ぐ見据えながら…








「---受けて立つよ。」








と言った。







(はっ……さすがだな。)







お前がそう言うなら
俺も気合入れていく。







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