俺様な狼上司に迫られて!
…で、明後日。
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「………。」
「………。」
待ち合わせのホテルのロビーに来て
家族3人を待っている間
俺たちは互いに無言だった。
隣のサユリは至って普通…と言いたいところだが
ポーカーフェイスに見せかけて
手がギュッと膝の上で握られている。
(-------。)
やっぱこんな急に家族に会えなんて…
良くなかったよな。
俺が何も言わず断っておけば良かったか…。
と俺が思いながら反省していると
隣のサユリが
俺に向けて視線を送る。
「…ん?どうした。」
「あ、えっと…ううん、何でもない。」
「………。」
(はぁ…ったくこいつは…。)
強がって何も言わないサユリに
俺は仕方ない奴だなぁと息をつきながら
そっ…と
その硬く握られた手に手を重ねた。
「…!」
「…大丈夫だ。俺がいる。」
そう言って俺を見上げたサユリに
フッと笑いかければ
サユリはそれを見て目を丸くしながらも
同じようにフッと笑った。
「…うん。
…よし、気合いいれる!」
そう言って深呼吸をして
キッと前を向いて笑うサユリ。
(…強いなぁ、こいつは。)
俺は隣でそう思いながら
サユリを眺めていると…
「…待たせたね。」
「「!!」」
-----ついに 家族到来。