俺様な狼上司に迫られて!
「サユリさんは、大学のご出身はどこなの?」
「へ…あ、M大です。」
注文をした後、飲み物を飲みながら
話をしていれば
馴れ初めやらを聞かれるより先に
大学の出身を聞かれた。
あれ…もしかして
律樹の家って学歴気にする家だったり?
「M大…あら、良い大学を出てらっしゃるのね?」
「いえ、そんなことないです。」
難関とも上位大学とも言えないその大学に
良いと言われてもなぁ…。
優しいお世辞なのか嫌味なのか
よく分からない口調で
そのまま微笑まれた。
-----あぁ確かに
律樹の言ってる意味が何と無く分かってしまったような気がする。
…本当はそんなこと思っちゃダメなんだけど。
「そういえば、サキちゃんはM大だったかしら?」
「…いや、T大。」
「あら?じゃあミサトちゃんは?」
「K大。」
------うっ。
律樹に尋ねながら出てくる大学の名前は
どこも難関私立大学ばかり。
お知り合いの方々すごいな…。
っていうか
「サキさんと、ミサトさんて?」
「仲の良い知り合いなの。
ねぇ、律樹?」
そう言って訳あり気味に笑みを浮かべるお母様。
親しい知り合い…って
「とっても可愛い子達だったわねぇ。」
「えっと…元カノさん…ですか?」
「えぇそう…って、あらやだ。
私ったら何も考えずに…ごめんなさい!」
(----------。)
あ、これ…よく見るお母様いじめってやつですね?
その演技結構わざとらしくて
バレバレですよ。
(バレバレなのも狙いのうち…か。)
私はそう思って
それに何事も反応することなく
ニコッとただ笑顔で返す。
(負けませんよお母様。)
私のメンタルの強さ
ここでお見せいたしましょう。