俺様な狼上司に迫られて!
「律樹とまりなもT大出身なのよ。」
「母さん、もういいだろその話。」
「あら、大学の名前言われるの嫌だった?」
なおも私との格差を知らしめたいお母様に、律樹がウンザリとした顔で
冷たく言い放つ。
律樹とお母様の間で
火花散ってるのすごい見えるわぁ…。
「じゃあ…あ、サユリさんは海外に旅行は?」
「えっと、グアムに何度か…。」
「グアムは海が素敵よね〜!
ってことは英語は堪能なの?」
「え?いや、それは……。」
英語が堪能なお友達と一緒に行かないと生活できない位
英語の会話力は皆無です。
と心の中でだけ呟いて
英語は得意ではなくて…と、
あくまで薄っすらと伝える。
「あら、そうなの?
じゃあ旅行はお1人ではなくて?」
「基本友達と一緒です。」
「そう…。まぁそうよね、英語が苦手なら1人で旅行はキツいものね。」
-----うぉ、グサッといくな。
そのお母様の言葉が
"英語も話せないのか"と言われているようで
私は顔を引きつらせる。
「…母さん。」
「?何、律樹?」
律樹の低い声に
彼の不機嫌さが隣からヒシヒシと伝わるものの
それを受け流すほどの冷酷さをもつお母様にそれは効果なし。
(……すげぇ…。)
お父様より
お母様が強し。