俺様な狼上司に迫られて!
そう思いながらオフィスに戻り
私の隣の席で仕事をしているマユコちゃんをチラッと見る。
(お昼にでも相談しようかなー。)
どうせ一緒にご飯食べるし。
そう思いながら
私も仕事に戻る。
…いや、戻ろうとした。
が、
「…あ、マユコ。今日先帰ってて。
俺多分夜原田と飲みに行くから…。」
と
マユコちゃんに言った酒井くんの声に
ギョッとしたから。
(…え、何かその会話
新婚さんみたいなんですけど…。)
あ、もしかして泊まりの約束でもしてる感じ?
勝手にカップルの会話聞いて
こんなこと考えたりするの良くないとは思うんだけど…
聞こえちゃったもんは仕方ない。
「あ、分かった。
じゃあご飯は用意しなくていいのね。」
「うん。先寝てていいから。」
(-------え。)
これがもし泊りの約束だったとしたら
こんなつまらない泊り無いだろう。
遊びに行っても
寝ることしかやること残ってないんだから。
せめて起きて2人で会話楽しむくらい
してくれよ…と思うけど
-----多分これ、泊りじゃない。
「…ね、ねぇねぇマユコちゃん。」
「ん?どうしたのサユリ?」
酒井くんが去った後で
私はマユコちゃんに話しかける。
「あ、えっと…
今日のお昼にご相談したいことが…。」
-----聞けない。今日2人泊まるの?なんて。
ましてや一緒に住んでるの?
なんてこともNG。
とりあえず私はお昼に話したいことがあることだけ伝え
仕事に戻った。
(………何だろうこの胸騒ぎ。)
変な予感しかしない。