俺様な狼上司に迫られて!







「半同棲ってのはどう?」

「そんな中途半端なことするなら
同棲のがいいだろ。」

「でもその方が色々楽じゃない?」

「今とそんな変わんねぇじゃん。」






(うっ…いやまぁそうなんだけど…。)






私の意見は彼に圧倒されて
納得してくれそうになかった。



…うぅ…何でそんなこだわるのよ…。









「…マユコちゃん達のこと聞いたから
そんなに同棲したくなったの?」

「違ェよ。」






あれ


違うの?








「確かに酒井に相談はしたけど…。」

「相談?何を?」

「………。」








私がそう尋ねた途端、
律樹は私から視線を逸らして

黙ってしまった。







…え、なんですかその反応。

気になるんですけど。









「何?言って?」

「…いや、これは…。」







と言って
私に手のひらを見せて

ストップといった感じで
尋ねさせるのを止める。






…そんなことしても
その反応みたら気になります!








「私が何かしたの?」

「いや、そういうことじゃねェ。」

「じゃあ何よ?」

「…それは……。」









顔を逸らしたまま
また黙り込んでしまう彼に

私は はぁ、と息を吐いて
彼を見上げる。









「……分かった。もう言わなくていいよ。」

「!!」







私がそう言って
少しシュン…としながら

彼から離れて
オフィスに戻ろうと歩き始める。





(そんなに言いたくないならいい…。)






何だか寂しい気もするけど
仕方ないか…と

私が考えていれば








「っ…サユリ!」








< 137 / 212 >

この作品をシェア

pagetop