俺様な狼上司に迫られて!





それから少し…多分15分くらい
車を走らせてから
静かに停車させる部長。



そしてそのまま「着いたぞ。」と言って
シートベルトを外して運転席から降りる。



私も急いで助手席から降りて
部長の後を追う。



…って、アレ。ここって…






(っ…!ここアレだ、前に雑誌で特集されてたイタリア料理の有名店…!)





パスタとかピザとか
イタリア料理大好物だから

いつか行きたいなぁなんて
前々から思っていたお店。




(え、そんないいお店に部長が…!?)




私はそのまま部長の後ろについて行きながら
少し驚いて彼を見る。



平然とそのお店に入っていく部長が
何だか常連のようで

そのお店の雰囲気とあっていた。



こんなオシャレなお店に合うなんて

この人本当すげぇな…なんて思いながら
私も中へ入る。






「いらっしゃいませ…って、律樹!
おぉ待ってたぞ。」

「こんばんわ。
今日突然予約したいなんて言ってすいませんでした。」

「なーに、いいって事よ。
じゃあ案内しますんでこちらへ〜!」





なんて

入るなりこのお店の店長さんらしき
ダンディなかっこいい男の人が

部長を見るなり親しげに話しかけていた。



そしてそれに紳士対応をする部長。




そんな彼にお店のその男の人は
私と部長を笑顔で案内してくれた。





(知り合い…なのかな?)





なんて思いながらついていって

そのまま案内されたテーブルへ座る。





「じゃあ注文決まったらまた呼んで。」

「はい、ありがとうございます。」






部長がそう言えば
お店の男の人は優しく笑って テーブルを去る。


私はそれを確認してから
静かに部長に尋ねた。






「あの…
ここの人と知り合いなんですか?」

「ん?…あぁ、店長か。
あの人は俺の叔父さんだ。」

「…へぇ叔父様……え、身内の方なんですか?!」






------そんなミラクル有りかよ!



と心の中でツッコむ。


行きたかった有名店の店長が
部長の叔父さん…なんて

なんという身近ミラクル。



というか、何という美形家族。

血筋ってすげぇ…。






「あぁ。
…ん、好きなの頼め。何でもいいぞ。」

「あ、すいませんありがとうございます。」






そう言ってメニューを渡される。

…さすがと言うべきか
言ってる途中で噛みそうな複雑な横文字ばかりが並んでいる。




(…さて、何にするかな。)






と 私はメニューにジッと視線を集中させた。






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