俺様な狼上司に迫られて!
この流れで悪酔いしなければいいんだけど…
と
隣でワインを頼む陸也くんを見ながら
私はそう願う。
何で律樹も陸也くんに乗せられて
お酒なんか…。
(機嫌悪いからヤケ酒…とかじゃないことを信じるけど。)
もしかすると半分それも当たりだったりして、と思いながら
私は小さくため息を吐く。
少し経ってからワインが運ばれてきて
陸也くんはそれを自分と律樹に注ぐ。
私とおーちゃんはまぁ…
自主的に遠慮。
私たち2人は人のこと言える立場じゃないからね…。
「…じゃあ、改めて。」
そう言って2人で乾杯をして
飲み始める彼ら。
律樹は相変わらず仏頂面ながらも、
ゴクゴクと飲み進めて…ってあれ。
あれ、あのぉ…え、ちょ…!
(い、一気飲み…?!)
いきなり一気飲みをして、
自分でもう一杯を注ぐ律樹。
あまりにもいつもとちがうペースなので
私はビックリして
思わず律樹の手を握る。
「っ…律樹、ペース早くない…?!」
一応律樹にしか聞こえないように
耳うちするも
律樹はそんなの知らん、といった様子で
「放っとけ。」と言う。
…でも、そんなんじゃすぐ潰れちゃう…!
「---サユリ、彼には彼の飲み方があるんだ。大丈夫だよ。」
私が心配しているのを察したのか
陸也くんが何やら余裕の笑みを浮かべながら、私に言う。
……陸也くん…?
(何だか陸也くん…少し強気な感じが…。)
まるで律樹と2人で
対決してるように見えるけど…
…気のせい、だよね?