俺様な狼上司に迫られて!
「っ……!」
-----グサッと
今の私には痛い、彼からの言葉を受けた。
こんな不安な時に
そんなことを尋ねないで欲しかったのに
現実はそうはいかず。
彼は苦笑いを浮かべていた顔から
真剣な顔に戻って
私を再度、見つめる。
「…言える、よ。」
弱々しくもそう返せば
陸也くんはフッと小さく笑いながら
私の頬に…手を伸ばしてくる。
-------ドキッ!!
「…そんな辛そうな顔して、言うことじゃないと思うよ?」
優しくそう微笑みながら
まるで彼は…私に手を差し伸べるように
伸ばしてきた手を
そのまま頬に当てて、撫でる。
そしてその瞳に
不安げな顔をした私を---映す。
「……俺なら、そんな思いさせない。」
ふと
彼が私にそう口にした。
「こんな…悲しい顔させないよ。
絶対に不安になんてさせないし
嫉妬して困らせるようなことも…しない。」
(………陸也、くん…?)
さっきまでと違った
---まるで、甘い顔。
熱を宿したその瞳に見つめられて
私は思わず、心臓を鳴らす。
-----さらに、嫌な予感がした。
「…陸也くん…?」
私はそんな現実から避けるように
陸也くんの名前を呼んだ。
…ねぇ、どうしたの?
どうして…そんな顔するの?
(……やめて…これ以上、何も…!)
何も、言わないで----
そう思った途端に
彼は口を開いて私に告げた。
「-------サユリ。
…君が好きだ。
俺と一緒に、アメリカに行かないか。」
-------ドクン…!
嫌な予感は当たり
私は彼の言葉に、目を見開いた。
…そしてそんな時に
おーちゃんと律樹が
トイレから帰ってきていたのだ。