俺様な狼上司に迫られて!
とは言ったって
話さないことには何も始まらないんだけどさ…。
「…ごめんね、雰囲気悪くしちゃって。」
「いや…でもまぁなるべく早く解決してくれると」
会社の人も助かると思うよ〜
とマユコちゃんが私に言う。
私もそうだね、と言いながら
部屋へ入る。
(…あんな律樹初めて見た…。)
入社して以来
あんな死んでる律樹を1度でも見たことがなくて
内心私は驚いていた。
…あの様子からだと
昨日のことはあっちもダメージあったみたいだなぁ…。
それを思うとさらに罪悪感が芽生える。
とりあえず私は自分の仕事に手をかけて
集中する。
…と、そんな時に
ファイルなどを置いてる中に
見知らぬ紙が挟まってるのを発見した。
(---------?)
それに気がついた私は
パッとそれを手に取って
その紙を開く。
そこには…
「………ぁ…!」
-----『昼、ちゃんと話そう。』
そう書かれた彼の字だった。
私はそれを見て
思わずパッと顔を上げる。
彼は相変わらず死んだ顔で
必死に仕事をしていた。
(…わざわざ紙で……。)
彼も気まずかったんだろうに
それでもちゃんと紙で私の机に
置いて行った彼の気持ちが
今の私には嬉しかった。
…お昼に ちゃんと謝ろう。
そう決めて
私はまた仕事に戻った。