俺様な狼上司に迫られて!





-----そして

時が過ぎるのは早く、




とうとう約束の…お昼休み。






私はマユコちゃんに事情を説明して
お昼をパスする。

マユコちゃんは了解!とピースを向けて

酒井くんの所へ向かって行った。






(……あ…。)






席を立ち上がって
彼の方を見れば


あの目つきの悪い顔のまま

"部屋出るぞ"と言うように
顔をフイッと扉に向ける。




私は従って部屋を出る。






「………。」

「………。」







---と

出たはいいものの

行き先を決めるどころか
会話も発生しない私達。



…超気まずいんですけど…。






(え、ここで謝るべき?
それともちゃんとした場所で言うべき?)






どうしよう、と頭をフル回転させながら
考えていると


彼が不意に声を出した。






「…食堂、行くか。」






昨日ぶりに聞いた声は

何だかお酒で少し焼けてるのか
低く 少々かすれていた。






「…うん。」






そう返事をして食堂へ向かえば

ちょうど2人席が空いていて
そこへ座る。







「…じゃあ俺先に買ってくる。」

「あ…うん、分かった。」






ぎこちなくそんな言葉を交わしながら

私達はそこで一旦別れる。





(……何だろうこの余所余所しい感じは…。)






同じに家に住んで
昨日まで普通に会話もしていたのに


喧嘩一つでこうも気まずくなるものなのか、と思いながら



自分のものを買って運んでくる彼を待つ。






彼が帰ってきてから
次は私が席を立って


少ししてからようやくお互い準備万端。






………。









「………。」

「………。」







…あれ




何この時間。







< 161 / 212 >

この作品をシェア

pagetop