俺様な狼上司に迫られて!
一向にお互い話始めることがなく
黙々と食べる手だけが動いている。
…え、ちょちょちょ
本題こっちじゃないっしょ!!
「…あの…律樹。」
「………。」
私が名前を呼べば
彼は食べていた手を止めて
顔を上げつつも
何と言えばいいのか分からないのか
視線を逸らしながらこちらを向く。
(…すごい申し訳なさそうな顔…。)
視線を逸らして
何だか罰の悪そうな表情に
私はそう思った。
「…昨日は「悪かった。」
(……!)
私が言おうと思っていたら
先に私にかぶせて謝ってきた律樹。
「…余裕無かった。ごめん。
……最後に言ったのも…嘘だから。」
そう言って何だか気恥ずかしそうに
頬を掻く律樹。
…最後の言葉って
アメリカ行けば、ってやつか…。
「私もごめんね。
…昨日は言い過ぎた。ごめん。」
「いや…お前は悪くない。」
俺がガキ過ぎた。
そう言って「悪い。」と
私の目を改めて見て言ってくれた律樹。
私も
小さく眉を下げて笑って
「うん。」と答える。
…良かった。仲直りできて。
そう思いながら
2人して見つめあって 笑った。
「…俺のだ。
アメリカに行かせるとか…ありえねェ。」
「うん…行かないよ。」
私が好きなのは
律樹だけだもん。