俺様な狼上司に迫られて!
お誕生日です!
「…あ…そういえば…。」
仲直りをしてから
また食事を再開していると
私はあることを思い出す。
(確か来週は…律樹の誕生日だったよね…。)
いつかに聞いたような誕生日。
それが多分来週だったような気がする。
(プレゼント用意しなきゃ……。)
…とは思うけど…。
「……ん、どうした?」
「いや…何でもない。」
目の前で眠そうながらも
食事をしている彼を見ながら
私はさらに悩む。
…この人の欲しいものって、何。
(あの家にないものって逆に何。)
服だって気を使ってるみたいだから
たくさん持ってたし
時計もすでにいくつかあるみたいで
満足してる様子だったし…。
靴とかそういう装飾品類は
こだわりありそうだからなぁ…。
すでに揃ってるし。
(じゃあ…無難にコップとか食器?)
いやいやでもあの家にあるお皿とか
実家から持ってきたのか分からないけど
いいやつばっかだし…。
そこに中途半端な安物を投入したら
ぶち壊しっていうか浮くっていうか…。
(っ…だぁぁぁあ!!
もうどうすればいいんだよぉおお!!)
頭を抱えながら
必死に考えるけど
全然出てこない。
…困ったぞ。
「…眉間にシワ寄ってっけど
何かまだ言いたいことでもあんのか。」
「えっ。」
そんな私の様子に
怪しい目を向けながら
そう私に尋ねてくる律樹。
…いやぁ、何か本人に聞くのもなぁ…。
「お前まさか…すでに浮気済みとかやめろよ?!」
「ぶっ-----!!
は、はぁ?!何言ってんの?!」
何の話?!
とか思いながらゴホゴホと咳込めば
律樹が眉間にシワを寄せながら
私に尋ねてくる。
「…隠し事は無しだ。」
「…って言われてもなぁ…。」
それで楽しみ一つ無くなるけど
いいの?
と思いながら
私が何度か「悪い話じゃないよ全然。」と説得はしたけど
どうも気になるようで
引かない律樹。
…仕方ない、聞いてみちゃうか…。
「…律樹、誕生日なに欲しい?」
「……え。」