俺様な狼上司に迫られて!
私の言葉に思わず目を丸くする律樹。
「誕生日。来週でしょ?」
「…そういや、そうだったな。」
すっかり忘れていたのか
思い出したようにそう言って私を見る。
まさか自分のことで
そんなに悩んでいるとは思わなかったんだろう。
「別に何もいらねぇよ?」
「いいから、何か欲しいもの考えて。」
それじゃ私の気が済まないので
どうにかして彼に言わせようと頑張る。
欲しいもの…少しくらいはあるでしょ。
と思いながら
彼の返事を待つ。
「…何でもいいのか?」
「まぁ…できる範囲なら。」
「…そうか。」
そう言うと
律樹は何やら考えがあるのか
少々口角を上げながら
ニヤッと私を見る。
…え、何。何か嫌な予感が…。
「何考えてるんデスカ。」
「んー?
…ま、楽しみにしてろよ。」
(楽しみにしてろって…
楽しみにさせるの私なんですけど…。)
何だか様子の怪しい律樹に
目を向けながら
私はそう思う。
……何この嫌な予感!