俺様な狼上司に迫られて!
-----結局
あれから6日経って
ついに明日が誕生日当日
というところまで迫ってしまった。
…あれから律樹に
欲しいものを教えてもらって ない。
(何聞いても『当日で間に合う』って言ってくるし…!)
当日で間に合うって…
それじゃ一緒に買うことになったり
当日の予定もグダグダになりそうなんですけど!!
と心の中で悪態をつきながらも
真面目にパソコンのデスクワークをしていた。
…もう、何があってもあの人の責任だから!!
と心の中で告げて
私は仕事に集中する。
「---------サユリ。」
(……え…。)
ちょうど考えていた人物から
名前を呼ぶ声がしたけど
…会社の中でそんな呼び方
されたことないんですけど?
(いつも公私混同しないように
"松岡"って呼んでるのに…。)
私はそう不思議に思って
彼を黙って見上げてみれば
いつもの爽やか〜な笑顔を浮かべながら
私に話しかける。
「今、忙しい?」
「いや…どうしたんですか?」
「じゃあちょっと、資料室まで着いてきてくれない?」
荷物運び手伝って欲しいなぁ。
と
王子キャラで言われて
"何が手伝って欲しいなぁだよ。"と
心でツッコミながら
「わかりました。」と返事をして
席を立つ。
…大抵こうして呼び出す時は
2人で話したい時。
大して資料の量が無いのに
行こうとすることが多い。
今回もそれだ
…と 思っていたのに…。
「---割と量あるんだけど…。」
「だから手伝わせたんだって。」
「え、普通にパシリとして?!」
君さ、仮にも私 彼女で女なんですけど!
と思いながら
「沢田くんとかに頼めばよかったのに。」と言うと
「お前のが頼みやすいからいーだろ。」
と言ってくる律樹。
何だよ、いつもは話ある時に呼び出す癖に…。
(…ていうか何か…)
律樹の機嫌が
いつも以上にいい気がするのは
私の気のせいなのだろうか…。